介護キャリア

介護職パパが直面する「このままでいいのか?」という不安。家族を守るためのキャリア論

介護の仕事は、誰かの役に立てている実感を持てる素晴らしい仕事です。 しかし、僕自身が「パパ」になったとき、その誇りとは別に、心のどこかで小さなアラートが鳴り始めました。

このままで、家族を一生支えていけるだろうか?

子どもが大きくなり、教育費や将来のことをリアルに想像したとき、今の働き方の延長線上に理想の未来があるのか。 今回は、介護職パパである僕がキャリアについて本気で考え直した理由を、正直に綴っていきます。

介護職パパが感じやすい「3つのリアルな不安」

パパになってから、それまで見て見ぬふりをしてきた現実が、急に鮮明に見えるようになりました。

給料がなかなか上がらない。

毎年の昇給額を見て、「子どもの習い事や学費を十分に用意してあげられるか」と悩む日々。業界全体として処遇改善は進んでいますが、一馬力で家族を養うには、どうしても限界を感じる瞬間があります。

体力的にいつまで続けられるか。

夜勤明けの体で子どもと公園を全力疾走。若いうちは気合でカバーできても、40代、50代になったときに、今と同じパフォーマンスで現場に立ち続けられるのかという不安がよぎります。

子どもの将来を考えたときの不安

「お父さんの仕事、かっこいいでしょ」と胸を張って言いたい。でも、行事のたびにシフト調整に悩み、疲弊して帰宅する姿ばかりを見せていないか。将来の選択肢を広げてあげるための余裕が、今の自分にあるだろうか。

それでも、僕が介護の仕事を選んだ理由

ネガティブなことばかりを書きたいわけではありません。不安はあっても、僕は介護という仕事に強い愛着を持っています。

人と深く関わる仕事が好き 利用者さん一人ひとりの人生に触れ、心が通い合う瞬間。この仕事でしか味わえない人間ドラマがあります。

「ありがとう」に救われる瞬間 ご家族や本人からの感謝の言葉は、何物にも代えがたい報酬です。自分の存在が必要とされている実感は、自己肯定感を高めてくれます。

なくならない仕事」という安心感 AIが進歩しても、対人援助の根幹は人間にしかできません。手に職があり、どこへ行っても仕事があるという点は、家族を持つ身として大きな強みです。

パパになって「価値観」が劇的に変わった

独身時代と今では、仕事に対する「OS」が書き換わったような感覚です。

「自分中心」から「家族中心」へ 自分がやりたい介護、理想のケアを追求するだけでなく、「家族との時間を最大化できるか」「家族に不自由をさせないか」が判断基準のトップに来るようになりました。

「無理がきく」から「無理がきかない」へ 以前は「自分が残業すればいい」と無理をしていましたが、今は僕が倒れるわけにはいきません。健康でいること、定時に帰ることも立派な「仕事」だと気づきました。

「今だけ」から「将来」へ 目前の業務をこなすだけでなく、10年後、20年後にどんなポジションで、いくら稼いでいたいか。逆算して考えるクセがつきました。

キャリアを考え直して気づいた「一つの答え」

真剣に悩んだ結果、僕が行き着いた結論はこれです。

すぐに辞める必要はない。でも、何も考えないのはリスクでしかない

介護の現場が好きなら、現場を離れる必要はありません。 ただ、「現場一筋で定年まで」という選択肢以外にも目を向けるべきです。 マネジメントを学ぶ、ケアマネなどの資格で専門性を高める、あるいは「介護+α」のスキル(発信力やITスキルなど)を持つこと。

現場を大切にしながらも、「いつでも別の選択ができる自分」になっておくことが、家族を守るための本当の安定だと気づきました。

今すぐ転職しなくてもできる「3つの選択肢」

「今の職場がすべて」と思い込むのをやめるだけで、心はスッと軽くなります。まずはここから始めてみませんか?

働き方の見直し

今の職場で時短や夜勤回数の調整が可能か、あるいはパパに理解のある職場が他にないかリサーチするだけでも一歩前進です。

資格・経験の棚卸し

自分がこれまで培ってきたスキルを書き出してみましょう。意外と他の施設や職種でも重宝される「強み」が見つかります。

副業や発信を検討する

介護の経験をブログやSNSで発信したり、ライターとして活動したり。現場以外の「柱」を小さく育てることは、将来の大きな武器になります。

まとめ:不安は「家族を大事に思っている証拠」

介護職として将来に不安を感じるのは、決して仕事から逃げたいからではありません。 「家族を大切にしたい、もっと幸せにしたい」と心から願っているからこそ、悩むのです。

その悩みは、パパとして、一人の人間として、あなたが誠実である証です。 正解は人それぞれですが、「今のままでいいのかな?」と考え始めたこと自体が、より良い未来へ向けた大きな前進。

一緒に、家族も自分も大切にできる働き方を探していきましょう。

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